むの字屋辞典

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◆ に ◆

にせざけ【偽酒】漢字の書き分けについて説明である。
庵主が使っている「岩波国語辞典第六版」は、「偽」も「贋」も同じ意味だとしている。語源は「似せ」だとある。
実用上はそれでもいいのだろうが、しかし、偽と贋では意味が違うのである。
純米酒もアル添酒も似たようなものだという杜撰な感覚の辞書では、文化的には使い物にならないということである。表記の基準を確かめるためにしか使えないのである。
漢字の書き分けを明確にしていない辞書では、庵主にとっては役に立たないのである。
そういう便利な辞書がないときはどうするか。このように自分用の辞書を造るのである。
辞書は、昔は大出版社が社の誇りにかけて年数を要して造るものだった。
いまは、それがこうして個人で簡単にできるようなったのである。バソコンは便利なメモ機だということである。
偽酒も贋酒も紛い物であることには違いないが、その目的が異なるということである。
偽酒は、飲み手を騙すために作った酒である。悪意で作られた酒をいう。
「森伊蔵」(高値で買う人がいるほどに人気のある焼酎)の瓶に安い焼酎を詰めて売るというのは偽酒である。
一方、贋酒は本物の酒に似せて造った模造酒である。見掛けは酒であるが、その本質が酒の本来から外れているものをいう。
三増酒は、人を騙すために造ったものではなく、背に腹は替えられない時代状況から造られた酒であるが、中身は贋酒である。
日本酒は醸造酒である。カクテルじゃあるまいし、それにアルコールをまぜたら、なんのために酒を醸したか意味がなくなるからである。
絵画は絵の具を塗りたくったものをいうのだから、人はその絵の具を見て感動しているのだとして、「モナリザ」の絵に全面的に白絵の具を塗ってしまったら身も蓋もなくなるようなものである。
人は、絵画に絵の具を見ているのではなくと言う事である。
お酒もアルコールを飲んでいるのではないということなのである。
偽酒ではないが贋酒だという例はこれである。
本物のスパークリングワインを、シャンパンと偽って売る場合である。
中身は本物である。ただ、シャンパンと呼んではいけないものをそう呼んだものは贋酒である。●ブログの参考頁

にせざけ【贋酒】庵主は、「偽酒」と「贋酒」を書き分けている。
贋酒とは模造酒のこと。本物に似せて造った酒のことである。本物によく似ているが、本物の本質から外れている酒である。
一方、偽酒は、飲み手を騙すことを目的に作った酒のこと。ロシアでは流行っているというメチルアルコール入りのウオッカなどは偽酒である。かつ有害酒である。
サントリーが作っているウオッカは醸造アルコールから捏ね繰り回して作った贋酒である。こちらは飲みすぎなければ害がない酒である。知らずに飲めばウオッカ、中身を知ってて飲めば模造酒である。
飲み手がその事情を知っていて飲んでいるのが贋酒。騙されて、それを本物だと信じて飲んでいるのが偽酒。偽酒には命に関わるものがあるということである。


にっぽん【日本】ニッボンとニホンに関する庵主の仮説である。その読み分けは案外実用的であると悦にいっている。
ニホンとは、土着の日本人〈にほんじん〉が古来から(←「古来から」は馬から落馬)引き継いてきた文化のこと。日本人の心のことである。
ニッポンとは、そのニホンを占領した民族が形成した国体をいう。ほぼ平和裡における占領だったので、支配層と土着の被支配層とが大きく和するというキャッチフレーズを掲げて大和をそれまでの倭〈やまと〉に当てたのである。
国号を大和(倭)から日本と改称したのは新しい国体の成立によるものである。
新支配層が差配する国の名はニッポンと読むが、その政権に支配されることになった土着の住人の多くはニホンジンである。
したがって、日本人の文化である日本酒はニッポンシュではなく、ニホンシュと読むのである。ポンシュと読むのは、酒税を徴収するために作られた駄酒に対する苦笑である。いな、苦称である。そんな酒を容認している国〈ニッポン〉に対する日本人の反骨精神である。反権力用語なのである。もっともその手の発想を酔っぱらい用語ともいうが。●ブログの参考頁

にほん【日本】漢字の書き分けについて説明である。
日本をニッポンと読む場合とニホンと読むものがあるがその違いはどこにあるかということに関する庵主の仮説である。
日本列島に住んでいる支配層の組織はニッポンと読む。
支配される側にまわされた土着の住人の文化をいうときはニホンと読む。
郵便切手には、かつては国営だった名残で「NIPPON」は表示されている。
その表示はなんのために書かれているのか。だれに向かってかいてあるかということである。もし外国人に向かって書いてあるものなら、それは「JAPAN」と表記するのが目的に叶うだろう。オリンピックの表示も「JAPAN」である。その表記が外国人には一番日本と認識できる表記ダカラである。「NIPPON」と書いてあっても多くの外国人にはそれがJAPAのことだとはすぐには判らないはずである。
ということは、切手に書かれている「NIPPON」は日本人に向けて書いてあるということである。
ここはニッポンだと。
国家の支配下にあるものはニッポンと読むのである。日本銀行はニホン銀行ではない。もちろろんニッポン銀行と読むのである。
それに対して、日本酒はニッポンシュとは読まない。ニホンシュである。
日本酒は日本人の文化の精華だからけである。日本人の心だからである。●ブログの参考頁


にほんしゅ【にほんしゅ】日本酒はニッポンシュとは読まない。にほんしゅと読む。その理由は「日本」の説明を参照されたい。

 

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