原文採録◆編集技術の見本(2010年1月22日採録)

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僕らはあんたらと生活のレベルが違うやないか
(塩川正十郎) 2009-12-25 18:43:03
原典(そのコメント欄)

「格差が出ることは悪いとは思わない。成功者をねたんだり、能力のある者の足を引っ 張ったりする風潮を慎まないと社会は発展しない」
(小泉純一郎  第89代内閣総理大臣 世襲3世)

「格差なんていつの時代でもある。じゃあ朝日新聞の給料はいくらなんですかと言ったら 終わっちゃう話なんだよ」
(安倍晋三 第90代内閣総理大臣 世襲3世)

「競争が進むとみんなが豊かになっていく」
(竹中平蔵 第3次小泉改造内閣総務大臣)

「格差があるにしても、差を付けられた方が凍死したり餓死したりはしていない」
(奥田 碩 元日本経団連会長 元トヨタ自動車会長)

「パートタイマーと無職のどちらがいいか、ということ」
(宮内義彦 規制改革・民間開放推進会議議長 オリックス会長)

「非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです」
(三浦朱門 元教育課程審議会会長)

「格差論は甘えです」
(奥谷禮子 人材派遣会社ザ・アール社長 日本郵政株式会社社外取締役 アムウェイ諮問委員)

「フリーターこそ終身雇用」
(南部靖之 人材派遣会社パソナ社長)

−生活保護を受けられず餓死した事件に関連して−
「怠けて怠けて怠け続けた人生を送ってきた者が最後の最後に自分の人生にケジメをつけるならともかく、よりによって公金にたかるという逆襲」
(杉山富昭 尼崎市公務員・さすらいグループ自治体法務研究者)

−国民年金だけで生活することができると思うかと聞かれて−
「ほんなんできるかいな。僕らはあんたらと生活のレベルが違うやないか! (毎月)100万かかるよ。みんな、人間平等だと思っていたらとんでもない間違いだ」
(塩川正十郎 元財務大臣)

 


 世の中で起こっている数多くの出来事の中からいくつかの事実を集めてきて一つの傾向やそこに通底している性向を見いだすことを編集という。
 目障りな部分を全て切り捨てて、見た目が綺麗な部分だけを集めてきて一つの主張や傾向に誘導する編集技術のことは宣伝という。
 それは一面の真実なのであるが、世の中は原因ではなく、それによって起こされた現象で動いているから、見た目を真実としても実用上は問題ないのである。

 庵主は、世の中の構造は一枚の紙のように裏表で成り立っていると見ているから、それは真実の片面だということである。
 宣伝は美しい方の一面である。編集の技は裏面を暴き出すときに威力を発揮する。
 本当は、映画のセットのように、裏面の汚い部分を見ない方がいい気持になれるのであるが、裏面で何が起こっているかを知ることは面白いのである。好奇心が疼くところである。

 普段は目にはいってこないその部分を見通すのが編集の技である。
 集められた一つひとつの事実がすでにだれもが知っていることであったとしても、それを編集することによって何が起こっているのかという真実が浮かび上がってくるのである。

 その一つを上に掲げておいた。

 こうして並べてあると、現在の日本の教育がけっして国民の資質の向上を目指しているのではなく、その逆に劣化させることが目的だということがありありと見えてくるのである。
 その正体は、すでに利権を手に入れた人達が自分達の既得利権を守ろうとするあがきなのである。
 自分だけお利口でも、周りにいる人が馬鹿ばかりだとしたら、どこが面白いのだろうかということである。それはきっとつまらない世界だと庵主は思うから、その手の考え方をする人には馴染めないのである。

 とくに教育課程審議会の会長だったとある三浦朱門氏はたしか、曽野綾子氏の夫で二人ともちゃきちゃきのキリスト教徒だと思ったが、一神教徒の教養の限界を見る思いがする。一神教の人は他人を支配したがる傾向が強いようである。志が低いのである。もし教徒でなかったとしたら、日本のインテリの限界だと言い換えれば間違いはないだろう。
 その程度の精神しか持ち合わせていない人が現在の日本を指導しているということである。残念なことである。
 若い人達は食い物にされているということに気付くべきなのだが、思えば歴史はいつもそうだったのである。
 早く気がつかないと、いつまでも食われっばなしだということである。
 
 
 

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