魚拓◆オテロ氏の「こんな映画は見ちゃいけない!」
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   ☆ こんな映画は見ちゃいけない!  2009/1/29号 Vol.954 ☆

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  こんにちは、発行人のオテロです。

  
         「誰も守ってくれない」 です。

  平和な日常が突如として崩れていく。原因は自分にあるわけではない
  のに、自由と名前が奪われ、人生が暗転する。当事者たちが感じる現
  実感を伴わないまま周囲に流されていく感覚がリアルだ。映画は殺人
  犯の兄を持った少女が社会から執拗な追跡を受ける過程を通じて、や
  り場のない怒りを鎮める方法を模索する。加害者は法廷で裁ける。し
  かし、その肉親に対してはどこまで責任を追及すべきなのだろうか。

  小学生姉妹殺害犯として兄が逮捕された15歳の沙織は、容疑者家族保
  護マニュアルにのっとって勝浦刑事にガードされる。マスコミに追わ
  れるなか、勝浦は家族旅行で行くはずだったペンションに沙織を匿う。

  警察による家宅捜査後の裁判所・教育委員会などの事務手続きのそっ
  けなさはリアリティにあふれ、その後の沙織を乗せた車がマスコミの
  追手かわすカーチェイスはスリリングと、導入部の引きは非常に強い。
  さらにどこに逃げても監視される恐怖がじわじわと彼らを追い詰める。
  あまりにも急激な運命の転落に心を閉ざすことでしか正気を保てない
  沙織の姿が哀れだ。

  だが、君塚良一の脚本は犯罪被害者の家族を登場させ、沙織を「かわ
  いそうな少女」から「加害者の家族」に連れ戻し、安易な同情を許さ
  ない。勝浦の家庭が崩壊寸前という伏線も、殺人事件被害者の家族が
  幸せになる機会など永遠にこない事実を突き付ける場面に生きてくる
  など、一筋縄ではいかない構成に舌を巻いた。

         お勧め度=★★★★ (★★★★★が最高)

             「誰も守ってくれない」
               についての詳細は、

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   本日はもう一本
  
         「ジョッキーを夢見る子供たち」 です。

  まだ夜も明けきらない早朝の厩舎、子どもたちは一心に敷き藁を入れ
  替え、馬にブラシをかける。少しでも汚れが残っていると容赦なく教
  官の叱責が飛ぶ。馬は馬主からの大切な預かりもの、自分が楽しむよ
  り馬を気持ちよく走らせることを最優先にしろと教え込まれる。映画
  はジョッキー養成学校の少年たちの成長を通じて、プロになるとはど
  ういうことかを問う。

  フランス国立の厩務員・騎手養成寄宿学校に入学した新入生たち。肉
  体的精神的な強さのほかに馬と気持ちを通わせられる繊細さを持って
  いるか。その資質を見極められ、ジョッキーを目指す競争が始まる。

  説明的なナレーションや字幕での解説はなく、見る者はいきなり子ど
  もたちと同様に寄宿舎生活に放り込まれるよう。寮の狭い相部屋で朝
  5時起きの毎日、厩舎での作業、馬を操るためのトレーニングと休む間
  もない。ジョッキーになれるのはほんの一握り、残りも厩務員や調教
  師になれるとは限らない。生徒はジョッキーの夢敗れた教官という現
  実を目の当たりにしながらも、まだ将来に甘い希望を抱いている。14
  歳にして人生のサバイバルレースに参加する少年少女のあどけなさが
  痛々しい。

  ただ、エピソードに脈絡がなく場面がいきなりポンポンと入れ替わる
  という編集法はいかがなものか。もう少し焦点を絞って、より深く対
  象に切り込むようなアプローチのほうがよかったのではないだろうか。

        お勧め度=★★* (★★★★★が最高)

          「ジョッキーを夢見る子供たち」
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       余|談|
       ━┛━┛

  ソマリア沖の海賊対策として海上自衛隊艦船が派遣される見通しにな
  りましたが、護衛対象は日本船籍、日本人乗組員や日本向け積荷など
  に限られるようです。

  しかし、野党間では海上保安庁で十分に対応できるという意見で、あ
  くまで自衛隊の派遣は違憲との判断です。

  海上自衛隊がソマリア沖で活動中に、仮に総選挙で自民党が負けて左
  派政権ができた場合、護衛艦は呼び戻される可能性は大。

  そうなった場合もやっぱり「派遣切り」と呼ばれるのでしょうか。。。

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